有機医療の実践 2013年食事療法-1
発症メカニズムをきめ細かく解析し、それぞれのステップを阻止する薬剤が開発されつつあります
その結果、一つの病気に対して複数の薬剤が出そろい、それぞれの特性や効果について検証する手続きが取られることになりました。
それはそれで患者さんにとっては迷惑な話しであるが、治験(製薬会社が行う臨床試験)がビジネスとなった現在、国を挙げて推進する傾向にあります。
そもそも、科学的実証という代物が、ジグソーパズルの小さなピースでしかないのにも係らず、意思決定の中心的存在になってきたことも考えものです
そして、超高齢社会を迎える日本においては、疾患を複数有している場合が多く、現在のような医療の推進がより多大な問題を引き起こすことは目に見えています。
神経内科の領域で言えば、アルツハイマー病やパーキンソン病の原因/メカニズムが理解できて、新薬が生まれるという考え方は妄想です。
非常に多くの方が独居老人や老夫婦(老々介護)であり、医療が疾病を治癒させるという社会環境は既に壊れつつあります。
一方で、臓器別が進み、各臓器での投薬が、全身的に色々まずいことを引き起こすことも明らかになりつつあります。
有機医療のコンセプトは以前も述べたように、「医療従事者が周囲の方々と一体となり疾病ではなく患者さんを良くする」というものです
NHK:BS 世界のドキュメンタリー 絶食療法の科学/2012年4月25日放送において、絶食療法が取り上げられ、糖尿病、ぜんそく、高血圧、リウマチ、アレルギー、うつ病、統合失調症、恐怖症、強迫性障害の患者さんが改善すると報告されました
糖尿病においては、糖質制限食が流行しています。糖質はカットしますが、脂質や蛋白質はOKで、トータルカロリーよりも糖質制限を重視した食事です。
一方で、昔から神経内科領域で言われているのは、ケトン体食の有効性です。
てんかんに関しては古くから有名で、難治性てんかんにおける有用性は広く知られています。
引き続き、アルツハイマー病やパーキンソン病にも有効で、最近は癌にも有効で、放射線との併用によるアジュバント効果があると言われています。
絶食、糖質制限食、ケトン体食は食事療法として同じような意味をもつのでしょうか
このシリーズでは、このような食事療法の持つ意義について少し考えてみたい