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「喉にピンポン玉或いは綿が詰まった感じがする」こんな症状で困っていませんか?

医療機関を受診されれば、内科的或いは耳鼻科的に異常がないので、「ヒステリー球」(心療内科)、咽喉頭異常感症(耳鼻科)という診断が下されることになろうかと思います。

この病気は、喉異物感があるのが特徴です。
しかし身体的な病気はないので、診断基準上「鑑別不能型身体表現性障害」に分類されます。
ヒステリー球.png


原因は精神的なものとされています。
人によって異なりますが、喉の圧迫感以外に、倦怠感、不安感、胸やけ、腹部膨満感などを訴えられるかたもおられます。
この病態は本当に精神的なものなのでしょうか[exclamation&question]

私も多くの患者さんを診ているわけではないので確信があるわけではないのですが、お一人よくなられた方がおられますのでご紹介したいと思います。
この方は半夏厚朴湯を処方されたが効果がなかったそうです。
まず頭部前方変位(頭が体の軸よりも前に出た姿勢)があったので、頭部前方変位修正の体操を行いました。
これで3~4割程度症状が緩和されました。
頭部前方変位がありますと、頚椎6番目(C6)は前方へ移動するため、食道は輪状軟骨とC6に挟まれるような状態になることが予想されます。
頸椎.png


従って頭部前方変位が改善すれば症状が緩和されるのも理解できます。
次に鼻呼吸での深呼吸を試みました。この深呼吸の結果更に2-3割症状が緩和されました。
気管支心膜が心膜と連結し横隔膜に繋がりますので、深呼吸により横隔膜の柔軟性が増し、気管支心膜をを緩めるかもしれないという予想が的中したのかもしれません。
こんな簡単なことで、症状が緩和されるとは思いませんでしたので、私も患者さんもびっくりでした。

病気の情報ばかりを追いかけて治らないと決めつけてしまうのではなく、一人ひとりの患者さんを丁寧に診て、問題点見出しそれを修正すればどんな病気でも治るチャンスはあるのではないでしょうか。

ヒステリー球の方が全てこの方法で改善するとは言いませんが、体の不自然さがどこかにあればそれを修正してみるのも大切な手段です。患者さんは毎日体操や深呼吸をされており、来院時の症状を100%とするなら現在は30%だそうです。

診察を重ねていく度に新たな視点が見えて、治療方法が少しづつ進化するように感じます。

いずれ症状が10%以下になるようになればと思います。
どんな病気でも患者さんと医療関係者の間でのキャッチボールが治療の基本であるかとを再認識しました。

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