有機医療2012.12
全体を部分に分けることが可能だと仮定すれば、万人に共通な事項としての病因にアプローチすることは確かに可能かもしれない
事実、現在の医療においては、この手法が一見成功している(根拠に基づく医療=EBM)と思われ、各病因に対して徹底的に行われ、圧倒的な迫力で社会に浸透している。
しかし、疾病自体(全体)の構造はそれほど簡単ではなく多数の病因(部分)が想定され、それぞれの病因(部分)をターゲットに多くの薬剤が排出され、混迷を招いている。
更に、高齢になれば、複数の疾病を有する場合が多く、収拾がつかない状況も認識されつつある。
この病因・結果理論に基づくアプローチは20世紀には一世を風靡し、結果として医療情報と経費の爆発を生じさせた。
医療を提供する側も受ける側も、そして規制する側においても「すくみ」の状態に入ったといえる。
さて、そろそろ全体を部分に分ける仮定に問題があったのではないかと気付いてもよいのではないだろうか
患者から「万人に共通な事項」としての病因を切り出すことに執着せず、患者そのものにアプローチする方向に社会が向かうことができれば、再び豊かで健全な医療を皆が享受できると思われる
これが有機医療のコンセプトである
追記:
2012年10月に大分で「有機医療の提唱と実践」というタイトルで講演をさせて頂く機会を得た。
それまで、何となく私が考えていたことや実戦として取り組んだことを整理する良い機会になった。
来年は、有機医療の実戦について具体的なことも含め記載したと考えている