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パーキンソン病におけるウエアリングオフの対処方法-2

ドーパ製剤を服用し続けると、それを餌にしている菌が増えると先に述べました。

ごく最近発表された論文(Nature Communications volume 10, Article number: 310 (2019))では私の説とは少し違いますが同じようなことを述べています。
エンテロコッカスという菌はドーパ製剤服用量が多いほど、そして服薬期間が長い程、増えるようです
この菌はドーパを脱炭酸する酵素を持っており、小腸で吸収される前にドーパをドパミンに変換してしまいます。
最近のドーパ製剤はヒトの脱炭酸酵素阻害剤が含まれていますが、その酵素阻害剤では細菌の酵素を阻害できないことがこの論文で示されています。
この細菌の脱炭酸酵素の遺伝子量が多い程、血液中のドーパの濃度が低くなります。
特定のアミノ酸を摂取すれば、それが好きな菌が増加するのは当たり前なのかもしれません。

しかし、ここでウエアリングオフの臨床症状をもう一度眺めてみましょう。

オフ時の症状には、すくみ足、無動、痛みなどがありますが、多くの方は起床時(薬剤が切れている時)の方が楽だといわれます。
単にドーパ脱炭酸の問題のみでしょうか。
私は先に述べたモノアミン酸化酵素を持った細菌、その他数種類の菌が増加しており、その増加した菌種によりオフの症状が多彩なのではないかという気がします

対策をもう一度考えてみましょう[眼鏡]

エンテロコッカスは乳酸菌属として知られ、サプリにも含まれています。
乳酸菌と書かれているので善玉菌だと思い摂取しているサプリにエンテロコッカスが含まれている可能性がありますのでチェックする必要があります。
また、この菌は胃酸抑制剤を服用すると増加します。
従って胃酸抑制剤を服用している方はできれば中止された方が良いでしょう。
確信はないですが、プロポリスなども効果があるかもしれません。
私が考案したカプセルも有効ですが、まずは乳製品などを控えたら如何でしょうか[眼鏡]



たくさんの病気を持っている、薬が多すぎて困っている専門の診療を受けているが改善しない、など慢性疾患で困っている方の為に開設致しました。
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医療法人 篤友会 オーガニッククリニック
大阪市豊中市本町3-1-57 ルミエール豊中 102号
電話: 06-6151-5613 FAX: 06-6151-5614
http://www.organic-clinic.jp/
午前:月、火、木、金 9:00~12:00(受付終了11:30)
午後:月~金 13:00~18:00(受付終了17:30)

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パーキンソン病におけるウエアリングオフの対処方法-1

私は刀根山病院から移動し、新たな治療を提供できる豊中市の医療法人 篤友会オーガニッククリニックに現在勤務しています(www.organic-clinic.jp)。


私が行っている手法では薬が効かないパーキンソン症候群(多系統萎縮症)も治療することができますが、それについては少しづつ説明をさせて頂きます。

今回は久しぶりにパーキンソン病の話題を致します。

多くの患者さんがウエアリングオフに悩んでいるかと思いますが、私は以前のブログで「ウエアリングオフはドパミン刺激の副作用」と述べました。
これは私の説ではなく既に論文書かれています。
しかし、では何故薬剤の副作用が出現してくるのに半年から数年かかるのでしょうか。
また、起床時のドーパ製剤は効果的なのに何故午後からはドーパ製剤の効果が弱いのか。
もう少し踏み込んで考察を試みます。

モノアミンオキシダーゼB(MAOB)阻害剤というパーキンソン病治療薬がありますが、この薬の最大効果は数か月後となっています。ゆっくりと効果を示すという点では食事療法にも似ています。
実は腸内細菌もMAOBという酵素を持っているのです。
クレブジエラなどもMAOBを持っており、モノアミンを代謝する能力があります。
ドーパ製剤はこの細菌のMAOBで代謝されている可能性はないでしょうか。
MAOB阻害剤は吸収されて体内で効果を示すと考えておられる方が多いかと思いますが、好ましくない腸内細菌を抑制することで薬剤の有効性を挙げている可能性もあるかと思います

この発想が正しければ、長期ドーパ製剤の服用によりドーパを好む腸内細菌が徐々に増加し、最終的に薬剤効果を減弱することでwearing offを惹起していると考えられます。
話を整理しますと、
長期ドーパ製剤服用→それが好きな細菌が年単位で増殖する→服用した薬剤の効果が短い
ということになります。

ではどうして午後からより起床時の方がドーパの効果が良いのかですが、これは食事やドーパ製剤の影響で小腸内の細菌が増殖しているからではないかと思われます。

以上の私の仮説が正しいとすれば、どのような対処方法が考えられるでしょうか。
小腸内細菌異常増殖については抗生物質を用いるのが一般的ですが、耐性菌の問題や長期服用の問題があり良い対策とは言えません。
一番簡単な対策は、お昼ご飯を抜くことです。
これは多くの患者さんで有効な場合が多いと思います。
また、パン食の方は、パンからご飯に変更してみては如何でしょうか[眼鏡]



最後に現在の勤務先のご案内です。
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