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【続】本当のパーキンソン病の話をしよう-4

― 目の話し ―  続編

目の神経細胞は垂直方向の情報処理と水平方向の情報処理を行っています。
水平方向に繋がった細胞は一体何をしているのでしょうか[exclamation&question]


かなり極端な説明の仕方をしてみましょう[眼鏡]


光というシグナルが入ってきますと、ロッドとかコーンと呼ばれる光を感知する細胞が興奮します(コーンは色覚に反応)。
興奮する際にできるだけノイズを抑えるようにすれば、視界のコントラストを保つことができます。
目の中のアマクリン細胞(ドパミン含有)がこのノイズを抑える役割を果たしています。
パーキンソン病でコントラスト感度が低下するのは、アマクリン細胞のドパミン欠損と考えられています。


更に詳しく述べますと、ギャップジャンクションと呼ばれる細胞間のつながりを介して、水平に繋がった細胞群はノイズを抑えるフィルターのような働きをしていると思われます。
即ち、ドパミンは水平に並ぶ細胞間の繋がりの強弱を調節するということになります。
このドパミンは日の光を浴びると目の中で上昇します。
そして夜になると下降し、綺麗な日内リズムを示します。
最近では近視もドパミンが関与していると報告されています。

日に当たれば、皮膚は黒くなります(メラニンの増量)[手(パー)]

眼にも紫外線をカットする目的でメラニンが存在します。
面白いことに黒質とか青斑核と呼ばれるパーキンソン病で障害される脳の部位も実を言いますと黒いのです。
これは一般的にニューロメラニンと呼ばれています。
皮膚や目にはメラノサイトと呼ばれる細胞がメラニンを産生しています。

では紫外線をカットする必要のない黒質はどうして黒いのでしょうか[exclamation&question]

パーキンソン病の神経病理学的特徴の一つに、脱メラニン化というのがあります。
メラニンがある方が良さそうです。
最近、黒質に光を感知するプローブを置いて、目に光を当てたら光が黒質に届いたという論文が発表されました。
真偽のほどは?また、この論文が述べたいことは一体何なのか?

私たちの病院では、高度光療法をパーキンソン病の患者さんにおよそ2年半継続しています[手(パー)]
非運動症状が改善することを今年の神経学会総会で発表しました。
多くの方に興味を持って頂きました。更に面白いことに、運動症状も改善する方が多くいることです。

果たして、光は脳に届くのでしょうか?興味の尽きない自問です。

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